薄毛治療にも取り入れられているビタミンの効果

薄毛の改善に効果的として今、ビタミンが注目を集めています。健康な体作りに欠かせない栄養素であるビタミンは毛髪の成長とも深く関わっています。ここでは、薄毛治療にも取り入れられているというビタミンの効果についてまとめました。

薄毛に対抗するため、抜け毛予防や育毛に良い栄養素について詳しく知っておきましょう。

薄毛治療で回復できた?生えるまでの流れを紹介


クリニックで行われている薄毛治療

薄毛治療を専門としているクリニックでは、外用薬や内服薬の処方が行われています。抜け毛を防ぎ、髪の毛の健康な成長を促すため、体の内側と外側の両方から働きかける治療が行われているのです。薄毛治療の内服薬というと、ミノキシジルやフィナステリドなどの成分を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

ミノキシジルは血管拡張作用によって育毛を促進し、フィナステリドは男性ホルモンの働きを抑えて抜け毛を予防してくれる成分です。いずれも薄毛改善に良いとされる成分であり、クリニックではこれらとともに各種ビタミンを含む栄養剤などが処方されています。

髪の毛の健康と深く関わっているビタミンA

ビタミンAは皮膚の代謝に関わる重要な栄養素の一つであり、頭皮や髪の健康にも深く関わっています。ビタミンAが不足してしまうと皮膚の代謝が正常でなくなり、頭皮環境が悪化してしまいます。その結果、抜け毛が増加したり毛髪のハリが失われるといったトラブルが生じるのです。

ビタミンAの一日あたりの推定平均必要量は、成人男性の場合およそ550~650μgRAE程度です。人参やほうれん草といった野菜やレバーなどに豊富に含まれている栄養素ですが、外食等の機会が多い方の場合は不足がちになっているかもしれません。

抜け毛の増加に気づいたら、ビタミンAを毎日しっかり摂取できているか、一度食生活を見直してみると良いでしょう。

頭皮環境を整えるビタミンC

ビタミンCは、血管や皮膚を強くしてくれる栄養素です。頭皮には毛細血管が張り巡らされており、そこを通る血液によって様々な栄養素が運ばれています。ビタミンCが直接毛髪を作る材料になるというわけではありませんが、その働きは育毛と大きく関係しています。

ビタミンCが不足して血流が低下したり、毛細血管が老化してしまうと髪を作り出す毛母細胞に栄養が届きにくくなってしまうからです。

亜鉛の吸収を助けるビタミンB

ビタミンBには髪の毛を作る材料であるタンパク質の代謝を助けるという働きが備わっています。また、血行を促進する作用もあるため、育毛対策として積極的に摂取しておきたい栄養素の一つだと言えるでしょう。ビタミンBには亜鉛の吸収をサポートするという大切な役割もあります。

亜鉛は食品から摂取したタンパク質を筋肉や毛髪に変えてくれるのです。細胞を増やすという働きを持っていることから、薄毛治療でも内服薬の成分として用いられています。育毛のためにしっかり亜鉛を摂取していても、上手に吸収できていなければ効果は期待できません。

亜鉛で薄毛対策をするのなら、その吸収を助けてくれるビタミンBもきちんと摂取しておきたいものです。また、この栄養素は皮脂が過剰に分泌されないように抑制するという作用も持っています。そのため、皮脂が多く頭皮がベタつきがちな方、毛穴づまりを起こしやすい方は特に摂取しておきたい栄養素です。

ビタミン不足によって薄毛が進行する可能性も

ビタミンAが不足してしまうと頭皮が乾燥して荒れやすくなり、抜け毛が増えるなどの問題が起きやすくなります。ビタミンCの不足も頭皮の健康にとって大敵です。ビタミンC不足に陥ると毛包幹細胞の維持に欠かせないコラーゲンが不足し、毛髪の成長が妨げられてしまいます。

いずれのビタミンも健康な体を維持するために必要なものであり、頭皮や髪の毛にも大きな影響をもたらしているのです。慢性的にビタミンが不足していれば頭皮環境が悪化し、抜け毛が増加する可能性もあるでしょう。

食生活を改善して薄毛予防

育毛や抜け毛予防に関わるビタミンは、食事から摂取することが可能です。偏りなく様々な食材を摂取していくことが、頭皮と毛髪の健康につながります。

ビタミン不足になりやすい習慣とは

食事にある程度気を使っていても、生活習慣によってビタミン不足になってしまう可能性があります。ビタミン不足を招く代表的な習慣として、飲酒と喫煙が挙げられます。アルコールを過剰に摂取すると、体内でビタミンB1が大量に消費されてしまいます。

さらにアルコールはビタミンB1の吸収を妨げ、体外への排出を促進してしまうのです。そのため、飲酒の機会が多い方や一度に大量に飲む方はビタミンB1の摂取を心がけた方が良いでしょう。喫煙によって体内にニコチンが入ると、体内では活性酸素が増加するようになります。

その活性酸素を抑えるために、たくさんのビタミンCが消費されてしまうのです。タバコを吸う方は、吸わない人よりも2倍量のビタミンCを摂取した方が良いと言われています。飲酒や喫煙といった習慣がある人はビタミン不足にならないよう、特に気をつけた方が良いでしょう。

薄毛の原因は遺伝だけではない

薄毛は遺伝が原因だというイメージがありますが、実際には様々な要因が関わっていると言われています。頭皮の健康状態に問題があり、その結果として抜け毛が増加したり、薄毛が進行するということもあるのです。遺伝のせいだからと諦めることなく、きちんとケアを行っていくことが大切です。

ビタミンはサプリメントでも摂取できる

食生活に気をつけているもののビタミンをきちんと摂取できているかわからない、そんな場合にはサプリメントを活用するのも一つの手です。サプリメントなら忙しくあまり食事に気を使えない場合も、手軽にビタミンを摂取することができます。

本格的に薄毛治療をスタートするのなら、クリニックで相談をして、ビタミン剤とともに内服薬や外用薬の処方を受けると良いでしょう。内側と外側から同時にケアをしていけば、効果的に薄毛を予防し、育毛を促進することができます。

ビタミンの過剰摂取について

食事からビタミンを摂取する場合、摂りすぎになってしまうリスクはほとんどないと言われています。しかし、サプリメント等から摂取する場合、決められた容量以上に服用してしまうと過剰摂取を招く可能性もあるため注意が必要です。

特にビタミンAは脂溶性なため、体内に蓄積しやすいとされています。複数のサプリメントを同時に服用する場合は、それぞれに含まれている栄養素の量について、気を配っておいた方が良いでしょう。